各国の対日「慰安婦」決議

元記事作者様戦後責任ドットコム



  • アメリカ合衆国下院121号決議(2007年7月31日可決)

  • 韓国国会決議案・発議(2007年11月13日)

  • オランダ下院決議  (2007年11月20日採択)

  • カナダ下院決議  (2007年11月28日採択)

  • 欧州議会決議  (2007年12月13日採択)

  • フィリピン下院外交委員会決議  (2007年8月13日発議 08年3月11日委員会採択(再議決予定))



  • 資料名
    アメリカ合衆国下院121号決議(United States House of Representatives proposed House Resolution 121)
    2007年7月31日可決
    引用元
    朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
    http://www.chosunonline.com/article/20070627000022
    解説
     


     ラントス下院外交委員長(カリフォルニア選出)ロス‐レティネン議員(フロリダ選出)の修正案を反映した下院第121号決議案

     日本政府は1930年代から第2次世界大戦までの期間、「慰安婦」と言われる若い女性たちを帝国軍への性的サービス目的のため動員することを正式に委任した。日本政府による強制軍隊売春制度である「慰安婦」は、集団強姦・強制流産・恥辱・身体切断・死亡・自殺を招いた性的暴行等の残虐性や規模面においても、前例のない20世紀最大の人身売買の1つだ。
     日本の学校で採用されている新しい教科書は、こうした慰安婦の悲劇や第2次世界大戦中の日本による他の戦争犯罪を過小化しようとしている。
     日本の公共・民間の関係者は、最近の慰安婦の苦痛に対する政府の真摯(しんし)な謝罪を含む河野洋平官房長官による1993年の「慰安婦関連談話」を希釈または撤回しようとしている。
     日本政府は1921年に「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」に署名し、2000年には武力紛争が女性に及ぼす影響についての国連安保理決議「女性、平和及び安全保障に関する決議第1325号」を支持している。
     下院は人間の安全と人権・民主的価値・法の統治および安保理決議第1325号に対する支持など、日本の努力を称える。
     米日同盟はアジアと太平洋地域で米国の安保利益の礎(いしずえ)で、地域安定と繁栄の根本だ。
     冷戦後、戦略的な環境は変化したが、米日同盟はアジア太平洋地域で政治・経済的な自由、人権、民主的制度に対する支持、両国国民と国際社会の繁栄確保をはじめ共同の核心利益と価値に根ざしている。
     下院は日本の官僚や民間人らの努力により1995年、民間レベルの「女性のためのアジア平和国民基金」が設立されたことを称える。同基金は570万ドル(約7億円)を集め、日本人たちの贖罪(しょくざい)の意識を慰安婦に伝えた後、2007年3月31日に活動を終了した。以下は米下院の共通した意見だ。

    1. 日本政府は1930年代から第2次世界大戦前に至るまで、アジア諸国や太平洋の島々を植民地化したり、戦時に占領した過程において、日本帝国主義軍が強制的に若い女性たちを「慰安婦」と言われる性の奴隷にしたことを、事実として明確な態度で公式に認め、謝罪し、歴史的な責任を取らなければならない。

    2. 日本の首相が公式声明を通じ謝罪するなら、先に発表した声明の信ぴょう性と水準に対し繰り返し唱えられる疑惑を解消する一助となるだろう。

    3. 日本政府は日本軍が慰安婦を性の奴隷にし、「人身売買した事実は絶対にない」といういかなる主張に対しても、明確かつ公式に反論しなければならない。

    4. 日本政府は国際社会が提示した慰安婦勧告に基づき、今の世代と将来の世代を対象に、残酷な犯罪について教育しなければならない。

    ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員


    資料名
    韓国国会決議案・発議
    (二〇〇七年一一月一三日)
    引用元
    「資料・対日「慰安婦」決議」(『世界』2008年6月号 p.266-273 所収)
    解説
     


     大韓民国国会は、過去の対日抗争期に日本軍によって恣意的に行われた日本軍性奴隷制に対して、この間、国連人権委員会、国際労働機関、アムネスティ・インターナショナル、米国下院などで、数回にわたり日本政府に勧告をしたが、日本政府がこれを受け入れていないことに対して深刻な憂慮の意を表明し、韓日間の対日抗争期の過去事の問題の正しい解決は、これからの韓日間の友好協力にも役に立つであろうと信じて、次のとおり決議する。

    一、日本政府は政府機構として真相究明のための公式機構を作り、過去の日本軍のすべての文書を公開し、日本軍性奴隷制の犯罪についての真実を究明することを促す。

    二、日本政府の日本軍性奴隷制に対して、軍の強制を認め、国会の決議と閣議で決定した公式謝罪を行うことを促す。

    三、日本政府は日本軍性奴隷制の被害者に対して、「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」などの法の制定を通して、被害者たちが受け入れられる法的賠償をとることを促す。

    四、日本政府は日本軍性奴隷制の犯罪についての真相を歴史教科書に記録し、以後の再発防止のための平和教育を積極的に実施することを促す。

    五、韓国政府が日本軍性奴隷制の解決のための請求権交渉など、対日外交交渉を積極的に履行することを促す。

    提案理由
     二〇〇七年七月三〇日、米国下院の本会議で日本軍「慰安婦」謝罪決議案が満場一致で通過した。日本軍「慰安婦」決議案は現在、米国でだけでなく、カナダ、オーストラリア、フィリピン、EUなどの議会でも、決議案採択のための活動が進められていること。
     日本軍性奴隷制(あるいは日本軍「慰安婦」制度)は、第二次世界大戦時に日本政府がアジア侵略戦争を遂行しながら、アジアの数多くの女性たち(最大ニ○万人)を日本軍の性的奴隷として連行した、二〇世紀最大の人身売買犯罪であったこと。
     一九四五年の解放以後、日本軍性奴隷制の犯罪についての真実が明らかにされず、これに対する法的責任もまた果されなかったこと。
     一九九一年、長い沈黙を破った日本軍「慰安婦」被害者の勇気ある証言以後、国際社会では一九九四年の国際法律家委員会報告書、一九九六年の国連人権委員会女性暴力問題特別報告官のラディカ・クマラスワミ報告書、一九九八年の国連人権小委員会武力紛争下の組織的強姦性奴隷制及び奴隷制類似の慣行に関する特別報告官のゲイ・マクドゥーガル報告書、二〇〇〇年の日本軍性奴隷制女性国際戦犯法廷の判決、二〇〇五年のアムネスティ・インターナショナル報告書などが、日本軍の性奴隷制は人道に対する犯罪、国際法違反の犯罪行為であり、日本政府はこの犯罪に対して国家的次元で謝罪と賠償をしなければならないことを勧告したこと。
     このような国際社会の努力は、日本軍性奴隷制の問題が、被害を受けた生存者や加害/被害の該当国家だけの問題でなく、普遍的な問題であり、また未来指向の課題だという認識が拡まり、深化していることを確認させられること。
     しかし、日本政府は、日本軍「慰安婦」問題に対する公式謝罪と賠償及び真相究明、再発防止のための人類の普遍的価値の実現に乗り出すどころか、国際社会の勧告を無視していること。
     むしろ総理をはじめとする政治家たちは、日本軍性奴隷制の犯罪に対して、国家の責任を回避する発言を相変らず繰り返し、一部強制性を認定した一九九三年の「河野談話」を、再検討するという動きまで見せていること。
     したがって大韓民国国会は、日本政府が、高齢の日本軍「慰安婦」被害者たちを考慮し、日本軍性奴隷制犯罪の解決のために、速やかに積極的な措置を取ることを再度促し、同じく韓国政府も、問題解決のための積極的な対日外交交渉を実行するよう促す。

    〈訳・森川静子〉


    資料名
    オランダ下院決議
    (二〇〇七年一一月二〇日・採択)
    引用元
    「資料・対日「慰安婦」決議」(『世界』2008年6月号 p.266-273 所収)
    解説
     


    オランダ国会下院は、
     日本が、アジアにおける我が国の戦略パートナーであり、二〇〇八年までに四〇〇年間にわたって関係があり、そのうち一五〇年は外交関係があり、我が国が日本と共に共通の未来を形成することをめざしていることを考慮し、
     日本が、公けに、いかなる遠慮もなく、第二次世界大戦以前から戦時中にかけて運営した強制性奴隷制度に対し、何人も疑うことのできない、いわゆる慰安婦に加えられた苦難に対して全責任を取るべきだという意見を持ち、
     日本政府が、一九九三年のいわゆる河野談話によって慰安婦の運命を認め、被害者に謝罪をし、責任を受け入れたことを記録し、しかし、日本政府と日本の国会議員が数回にわたって、後に撤回された昨年三月当時の安倍首相の発言並びに同じ問題について今年初めに衆議院議員らが出したワシントンポスト紙の広告によって示されたとおり、この[河野]談話から離れた立場を表明したことを記録し、
     わが国の下院議長が六月二六日付の手紙によって日本の衆議院議長に送ったワシントンポスト紙の広告に関する質問に答えて、衆議院議長が一一月七日付の手紙で彼が広告とは別な立場であると言明したことを注記し、
     日本の一部の学校教材が慰安婦の虐待を含めて日本の戦争犯罪を十分に認識していないことを考慮し、
     日本は「女性のためのアジア平和国民基金」を通じて元慰安婦に部分的に公的に助成された補償の形態を提供したが、補償は民間非政府組織によって与えられたことを考慮し、
     [オランダ]政府が日本政府に対し、一九九三年に遺憾の念を表明し、強制売春制度の運営についての日本軍の関与に全責任を取るという談話の価値を引き下げるいかなる声明も控えるように強く要求することを求め、
     [オランダ]政府が日本政府に、現在生存する元慰安婦に加えられた苦難に対して直接的、道徳的な金銭補償の形態を提供するという追加の姿勢を取ることを強く要求するように求め、
     [オランダ]政府が日本政府に、日本の学校教材が第二次世界大戦中の慰安婦の運命を含む日本の役割について正確な情報を与えるよう促すことを強く要求することを求める。
    〈訳・安原桂子〉


    資料名

    カナダ下院決議
    ( 二〇〇七年一一月二八日・採択)

    引用元
    「資料・対日「慰安婦」決議」(『世界』2008年6月号 p.266-273 所収)
    解説
     


    1. 一九三〇年代から第二次世界大戦中に、アジアと太平洋諸島を占領した間、日本帝国軍は性的奉仕のみを目的として若い女性を獲得することを公的に委任し、その女性たちは慰安婦として知られており、

    2. 日本の公人が最近、彼女たちの苦難に対する[日本]政府の真摯な謝罪と反省を表明した一九九三年の河野洋平内閣官房長官の「慰安婦」に開する声明を弱め、あるいは無効にしようとする遺憾な願望を示し、

    3. 一九四五年以来、日本は過去の行為を認め、償いをすることで進歩してきた。また数十年にわたって国連を通じた貢献を含む国際平和と治安、開発に貢献し、

    4. カナダ・日本の同盟はアジア太平洋地域において共通の重要な利益と価値に基づいて継続しており、これらには政治的・経済的自由、人権と民主制度を支援し、両国と両国民の繁栄をゆるぎないものにし、

    5. それゆえ、カナダ政府は、一九九三年の河野談話の反省の表明をおとしめるいかなる声明も放棄すること、日本帝国軍のための「慰安婦」の性奴隷化や人身売買などは存在しなかったといういかなる主張に対しても明確に公式に反駁すべきであること、日本帝国軍が強制売春制度に関与したことに対する全責任をとるように日本政府に対して促すべきであり、それには被害者全員に対する正式で真摯な謝罪を国会で表明することや和解の精神で被害者の問題と取り組むことも含まれる。

    〈訳・安原桂子〉


    資料名

    欧州議会決議
    ( 二〇〇七年一二月一三日・採択)

    引用元
    「資料・対日「慰安婦」決議」(『世界』2008年6月号 p.266-273 所収)
    解説
     


     欧州議会は、
     二〇〇七年に迎える奴隷売買廃止二〇〇周年に鑑み、
     日本も署名した婦人及児童の売買禁止に関する国際条約(一九二一)に鑑み、
     日本が批准したILO強制労働条約二九号条約(一九三〇)に鑑み、
     女性と平和及び安全保障に関する国際連合安全保障理事会決議一三二五(二〇〇〇)に鑑み
     武力紛争時の組織的なレイプ、性奴隷制と類似の慣行に関する国連特別報告者ゲイ・マクドゥーガルによる報告(一九九八年六月二二目)に鑑み、
     国連拷問禁止委員会第三八回会合(二〇〇七年五月九日、一〇日)の結論と勧告に鑑み、
     ハーグの日本占領下オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春に関するオランダ政府文書調査報告(一九九四)に鑑み、
     二〇〇七年七月三〇日に採択された米合衆国下院決議と、二〇〇七年一一月二九日に採択されたカナダ議会決議に鑑み、
     手続規程の規程一一五(五)に鑑み、

    A. 一九三〇年代から第二次世界大戦終了までのアジアと太平洋諸島の植民地及び戦時占領地において、日本政府は ianfu ないしは"慰安婦"として世界に知られることとなる若い女性たちを帝国軍の性奴隷にするためだけの目的で公務として徴用し、

    B. "慰安婦"制度は輪姦、強制堕胎、屈辱及び性暴力を含み、障害、死や自殺を結果した、二〇世紀の人身売買の最も大きなケースのひとつであり、

    C. 日本の裁判所に持ち込まれた多数の"慰安婦"訴訟では、帝国軍の直接・間接の関与を裁判所が認めながらも、原告による補償請求はその全てにおいて棄却に終わり、

    D. "慰安婦"制度の被害者のほとんどはすでに故人であり、生存者は八〇歳以上であり、

    E. この数年の間に、多数の日本政府の高官や公人が"慰安婦"制度に関する謝罪の声明を発表する一方、日本の公人の幾人かはそれらの声明を希簿化したり無効化させようという遺憾な願望を最近になって表明し、

    F. 日本政府はその性奴隷制度の全容をすべて明らかにしたことはなく、学校で使用される最近の必修教材の中には、"慰安安婦"の悲劇やその他の第二次世界大戦中の日本の戦争犯罪を矮小化しようと試みるものがあり、

    G. 政府の発意によって創設された民間財団であり、"慰安婦"の虐待と痛みを償うための事業や企画を実施する役割をもつアジア女性基金の任務期限は、二〇〇七年三月三一日をもって終了したのであるが、

    1. 多党制民主主義、法の支配、人権の尊重などの価値を相互共有することに基づく欧州連合と日本の間のすばらしい関係を歓迎し、

    2. 第二次世界大戦中の"慰安婦"制度の被害者である女性だちと連帯することを表明し、

    3. 一九九三年の河野洋平内閣官房長官並びに一九九四年の村山富市首相による"慰安婦"に関する声明、また一九九五年と二〇〇五年の"慰安婦"制度の被害者を含む戦時被害者に対するお詫びを表明した日本の国会の決議を歓迎し、

    4. 日本政府による一九九五年のアジア女性基金設立の発意を歓迎し、但し、同基金は今は解散しており、そのほとんどの資金が政府拠出の民間財団であるが、"償い金"を数百人の"慰安婦"に配ったことを歓迎する。しかしこの人道的措置は被害者たちの法的な認知と、公的な国際法による賠償への請求を満たすものではないとする女性に対する暴力に関する国連特別報告者ゲイ・マクドゥーガルが一九九八年の報告で述べた内容を考慮し、

    5. 一九三〇年代から第二次世界大戦終了までのアジアと太平洋諸島の植民地及び戦時占領地において、世界に"慰安婦"として知られる、若い女性を強制的に性奴隷状態においた帝国軍による行為を、日本政府は明確かつあいまいさのないやり方で公式に認め、謝罪し、そして歴史的、法的な責任を受け入れることを要請し、

    6. 生存している全ての"慰安婦"制度の被害者及び死亡した被害者の家族に対する賠償を行うための効果的な行政機構を日本政府が設置すべきことを要請し、

    7. 日本の裁判所で賠償を獲得する障害となっている現行法の不備を取り除くための法的措置を講じることを日本の国会に要請する。特に個人が政府に賠償を求める権利は国内法において明確に認められるべきであり、国際法において犯罪として決められている性奴隷制度の生存者に対する賠償問題は、生存者の年齢を考慮すれば優先されるべきであり、

    8. "慰安婦"を服従させ隷属させたことは一度もなかった、といった意見に対して、日本政府が公的に論駁することを要請し、

    9. 日本の人々と政府に対して、あらゆる国家の道徳的義務として、自国の歴史全体を認識すること、そして"慰安婦"に関連することを含め一九三〇年代から一九四〇年代にかけての日本の行為を認識するために、さらなる手段をとることを奨励し、日本政府にこれらの事例を現在及び未来の世代に教育することを要請し、

    10. 欧州議会議長に、この決議を日本政府と議会、国連人権委員会、ASEAN諸国の政府、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国、中華人民共和国、台湾、東ティモール民主共和国、及び欧州理事会、欧州委員会とEU加盟国に送付するように指示する。

    〈訳・安原桂子〉


    資料名

    フィリピン下院外交委員会決議
    (二〇〇七年八月一三日・発議、〇八年三月一一日委員会採択(再議決予定))

    引用元
    「資料・対日「慰安婦」決議」(『世界』2008年6月号 p.266-273 所収)
    解説
     


     人権の承認は、「国はすべての人の尊厳を尊重し、人権の完全な遵守を保障する」(第二条第一一節)と述べる一九八七年フィリピン憲法の尊い条項であり、
     第二次世界大戦当時の慰安婦が日本帝国軍の手によって体験せられた想像もできない過酷な被害に対し、日本政府からの公式謝罪と法的な賠償を求める声を上げてからすでに一〇年以上が経過し、
     一九九〇年六月、日本政府は、この慰安婦に関する問題を社会問題として認識し、
     この問題の重要性を理解した後に、日本政府は調査を実施し、その結果、一九九三年八月に日本政府の性奴隷事件への関与を認め、慰安婦問題についての反省とお詫びを表明し、
     最近になって、日本の政府高官や政治家が、一九九三年の河野洋平官房長官による「慰安婦」問題に関する談話を取り消したり薄めたいとの願いを表明し、
     一九九三年の河野長官談話は、日本帝国軍による戦時性奴隷制の被害者女性の苦難に対し、日本政府の心からのお詫びを表明し、
     日本政府は、サンフランシスコ条約や他の二国間協定約が調印された時点で問題は解決済みであり、被害者に補償する義務はないと主張し、
     一九九六年に国連人権委員会・女性に対する暴力に関する特別報告者ラディカ・クマラスワミ氏の国連報告書は、日本政府に対して元慰安婦に補償するよう主張し、一方一九九八年のゲイ・マクドゥーガル氏の国連報告書は、慰安婦事件の日本政府の取り扱いを厳しく批判し、日本が補償問題を国家次元の対応に引き上げるよう強く勧告し、
     高まっていく国際的な圧力に対する日本政府の対応は、日本の市民から「見舞金」を集めるアジア女性基金(AWF)の創設で、それによって、国が慰安婦問題に取り組んでいるかのごとく、国としての法的責任をのがれようとした。アジア女性基金は、五七〇万米ドルを集め、日本国民から慰安婦への「償い金」として渡した。その基金は二〇〇七年三月三一日をもって終了して同日解散し、
     一九九八年四月、韓国政府は、元慰安婦に約三〇〇万円の経済的支援を行う決定をしたと表明する声明を出し、
     台湾政府は、アジア女性基金の金に代わる二〇〇万円の立替金を元慰安婦に支給する同様の措置をとり、一方で日本政府からの国家次元の補償と謝罪を要求し、
     二〇〇四年六月九日、日本の民主党、共産党、社民党と無所属の参議院議員によって「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」と題する法律案が日本の参議院に共同提案された。同法案は、二〇〇一年三月二一日と一一月一四日に、また二〇〇三年一月二一日にも提出されたが、参議院での可決に至っていない。
     日本の参議院に提出された法案の主な目的は、第二次世界大戦中の日本帝国軍による戦時性奴隷制の被害者女性の尊厳と名誉の回復のために迅速な措置をとることである。同法案は、戦時性的強制被害者に関する問題を解決するために必要不可欠な基盤を提供し、もって関係諸国民との関係を改善し、日本が国際社会において名誉ある地位を占めることを可能とすることをめざしている。
     同法案は、戦時性奴隷制被害者の尊厳を侵害したことに対する日本政府の謝罪の声明および金銭的補償を含む被害者の名誉回復をすみやかに行うために必要な措置の実施を含む名誉回復の方法を示したものである。
     同法案は、日本の参議院に再度提出される予定で、
     大韓民国の国会は、日本の国会に、戦時性的強制被害者問題解決促進法案を審議し、成立させるよう勧告する決議をすでに採択し、
     二〇〇七年七月三一日、米国連邦議会下院は下院決議一二一号を採択し、一九三〇年代から第二次世界大戦の期間を通して、アジアと太平洋諸島の植民地支配および戦時占領中に、「慰安婦」として世界に知られる若い女性を日本帝国軍が強制し、性奴隷にしたことに対し、日本政府は明確かつ曖昧さのない方法で、公式に認め、謝罪し、歴史的責任を受け入れるべきであるとする下院の意思を表明し、
     日本政府は、一九二一年『婦人及児童の売買禁止に関する国際条約』の署名国であり、二〇〇〇年『女性、平和と安全保障に関する国連安全保障理事会決議一三二五号』を支持した、決議一二一号を可決した米国議会下院の後を追う形で、フィリピン政府は、フィリピン人慰安婦が当然の正義を実現し、彼女らの尊厳とフィリピン国民の尊厳を再生するために、真剣な関心を示している、
     よって、以下の通り決議する。
     フィリピン議会下院は、日本が、アジアを植民地支配および戦時占領した期間に、軍事力によって若い女性を性奴隷に強制したことに対し、明確かつ曖昧さのない方法で、公式に事実を認め、謝罪し、その歴史的責任を受け入れるべきであると述べる米議会下院決議一二一号の採択に照らし、そして、謝罪、補償と慰安婦問題の速やかな解決を求めている日本の参議院における立法提案に照らし、第二次世界大戦中に日本帝国軍によって慰安婦として一般的に知られる若い女性たちが性奴隷にされたことに対し、日本政府が公式に事実を認め、謝罪し、その責任を受け入れ、被害者に補償を行うことをフィリピン政府が日本政府に強く促すよう下院の意思として表明する。

    〈訳=ICR〉



    管理者コメント
    「戦後責任ドットコム」の管理人様のまとめに感謝。世界で旧日本軍の従軍慰安婦性奴隷制を非難している国は決して韓国だけではない。実際には韓国だけでなく、「白馬事件」などで日本軍からの被害を受けたオランダをはじめ、台湾、中国、東南アジアなどの女性も多数性奴隷被害に遭っていたし、当然非難の声もあがっている。日本人女性にも被害者がいた。旧日本軍の従軍慰安婦性奴隷制が「20世紀最大の人身売買の1つ」と非難されるのはこのためでもある。

    それなのに日本のウヨク勢力が世界に向けて出鱈目な従軍慰安婦否定論を唱え、日本政府もそれを容認しているようでは人権問題に敏感な欧米諸国からも非難されるのは仕方がない。今、日本がしなければならないことは、いかにして従軍慰安婦性奴隷制を無かったことにするかではなく、いかにして過去にしたことの責任を全うするかだ。
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    タグ: 従軍慰安婦, 性奴隷制, 慰安婦決議, 米国, 韓国・朝鮮, オランダ, カナダ, EU, フィリピン,

    [ 2012/07/30 ] 従軍慰安婦